モバイルのコロプラ×コンシューマーの8ing。プラットフォームの壁がなくなった未来に実現できる共創可能性とは

AI記事要約

株式会社コロプラ 取締役 上席執行役員 COO,Games(Chief Operating Officer,Games)
- 坂本 佑
大手ゲームメーカーにエンジニアとして新卒入社し、プランナーに転向。アミューズメント系のゲーム開発に携わった後、モバイルゲームの開発に従事。コロプラには、2013年に中途入社。2020年12月より取締役に就任。

株式会社エイティング 代表取締役社長
- 鮫島 保彦
新卒で半導体商社に入社し、ゲームカセットやアーケードゲームの製造部門で営業を経験したところからゲーム業界でのキャリアを開始。エレクトロニック・アーツ、ドワンゴ、スパイク・チュンソフト、リアルスタイルを経て8ingへ。2016年より現職。
コロプラグループは2025年10月より、中期経営方針を実現するための具体的な目標として、モバイルゲーム市場における「Global Top 20」の達成を掲げています。コロプラから誕生したエンターテイメントがグローバルに存在感を発揮するためには、グループ各社とのさらなる連携が欠かせません。そこで、全3回にわたり、コロプラでゲーム事業を管掌するCOO,Gamesの坂本とグループ各社の代表との対談企画を実施。各社にどのような強みがあり、コロプラとタッグを組むことでどのようなシナジーが生まれるのか、競争が激化する市場でどのような取り組みが実現しうるのかを考えます。
最終回は、大手クライアントを中心にハイエンドコンシューマーゲームの受託開発を行う株式会社エイティング(8ing) 鮫島保彦社長との対談をお届けします。
コンシューマーゲームの受託開発を手がける8ing
鮫島さんはゲーム業界での仕事歴が長いと伺いました。
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実は僕の経歴は、社会人1年目から今に至るまでの40年間、100%ゲーム業界なんです。
社歴としては、大学を卒業後、新卒で半導体商社に入社。家庭用ゲーム機のカセットやアーケードゲーム機の基盤を作っている部門に配属となり、7年ほどBtoB営業を経験しました。その後、興味がゲームソフトのほうに移ったことから、ゲームソフトウェアを開発する企業に営業・マーケティング部門の課長として転職。6~7年の間におよそ300タイトルをリリースし、最終的には本部長まで務めました。
そうした中、数千人規模のプレイヤーが1つの世界を共有して遊べるオンラインゲーム(MMO)『Ultima Online(ウルティマオンライン)』と出会い、次の時代のヒットはMMOから誕生すると確信。そのタイミングでドワンゴ創業者の川上量生さんから声をかけていただき、当時国内で唯一オンラインゲームを手がけていたドワンゴに営業を担うべく入社しました。ゲーム部門を管掌したほか、M&Aなどにも関わり、最終的にはスパイク・チュンソフトの設立にも携わりました。その仕事を終えた後、早期リタイアをするために約13年間お世話になったドワンゴグループを退社しました。
そこで一度、キャリアに区切りをつけられたのですね。
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そうです。心機一転、ゆっくり過ごそうと思っていました。ですが、これまでお世話になった方々に退職のご挨拶に伺う中で、コーエー(現・コーエーテクモゲームス)の元代表が立ち上げたリアルスタイルからお声がかかり、会社を手伝うことに。その間、コロプラが同社をM&Aすることになり、現会長の馬場さんと知り合うことになりました。
そうした中で、なぜ8ing社の社長を務めることになったのでしょう?
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以前から8ingとコロプラにはご縁があり、私自身もその接点づくりに関わっていました。その後、両社の話が進み、M&Aが完了したタイミングで馬場さんから社長就任のお話をいただきました。
ただ、僕自身は当時、早期リタイアを叶える気でいましたから、そのオファーを断りました。しかし、僕の辞退から数ヶ月経過しても適任者が見つからないという話を聞き、最終的に社長を務めることに決めました。
社長に就任してからは、8ingがもともと持っていた良さを活かしつつそれまでの方向性を少し変更することで、事業の立て直しを進めました。これまでの営業と経営の経験を活かしながら、現在も当社の経営を担っています。
8ing社の事業内容をお聞かせください。
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25年ほど前から、コンシューマーゲームの受託開発を行っています。現在は、コンシューマーゲームの中でも特にハイエンドのタイトルをお引き受けしている形です。
一時はスマートフォンゲームの開発・運営に乗り出したこともありましたが、ノウハウが大きく異なることから事業は赤字に。そのため、僕が社長に就任したタイミングでスマートフォンゲームの自社開発からは撤退し、コロプラのプロジェクトのみ少しお手伝いをしています。現在の事業の割合としては、9.5割がハイエンドコンシューマーゲームの開発で、残りがコロプラのゲーム開発支援です。

大手の取引先多数。8ingならではの強みとは
坂本さんから見て、8ing社ならではの強みはどこにあると思いますか?

大前提として、やはり8ingは高い技術力を持つ会社だと思います。その上で、鮫島さんをはじめとした業界歴の長い方々が経営に携わっているのが大きな特徴ではないかと考えています。ゲーム業界を深く理解し、業界内外に幅広いネットワークを持っている方が経営を見ているからこそ、現在のゲーム市場の中で自社の技術をどう活かすかを鋭く判断されているように感じます。技術力の高さと経営判断の的確さ、この2つが8ingの最大の強みと言えるのではないでしょうか。
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営業出身の僕は、ゲーム開発は担えません。できるのは、経営判断なんですね。坂本さんが指摘してくれたように、これまで培ってきた繋がりを活かしながら、いろいろな方に意見を伺い、どの方向が自社に最もふさわしいかを判断しています。方向性を決めたら、あとは走り抜けるのみです。
会社のHPには、企画から開発、調整、デバッグ、マスターアップまでをワンストップで提供できる点も強みとして記載していますよね。
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そうですね。その点は当社の一番の強みだと自負しています。現在、当社には約230名の開発スタッフが在籍しているのですが、この規模で一社専従ではなく様々な企業のゲーム開発を支援しているデベロッパーは、国内で当社を含めて数社ほどしかいません。企画担当からデザイナー、プログラマー、デバッグの担当者まで、それぞれ50~100名体制で組織が整い、柔軟に開発チームを組成しながら一気通貫でゲーム開発を担えるデベロッパーは貴重だからこそ、多くのお客様に重宝していただいています。
8ing社は、数々の大手メーカーのゲーム開発を手がけています。今お話いただいたような強みが、多くのメーカーから声をかけられているポイントなのですね。
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そうだと思います。加えて、セキュリティ管理の万全さもお客様に高く評価していただいています。当社はお客様の未発表のゲーム開発を担うからこそ、情報漏えいリスクのある在宅勤務を採用していません。全社員・スタッフが出社し、守秘義務のもとに仕事をしています。アルバイトスタッフが多い札幌スタジオには監視カメラや金属探知機など必要な設備をすべて導入し、スマートフォンや金銭すらも持ち込めない程、厳重にセキュリティ対策を実施しています。僕が社長に就任してから一度も情報漏えいをしたことがなく、安心感を持って依頼していただけるのも、大きなポイントなのだと思います。
開発するゲームのジャンルやプラットフォームで、得意領域はありますか?
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プラットフォームで言えば、Switch2やPlayStation5、Steamまで、すべてに対応しています。ジャンルとしては、もともとアーケードゲームのシューティングゲームを作っていたり、歴代の家庭用ゲーム機向けに大手メーカーと格闘ゲームを開発したりした経緯があるため、格闘ゲームやアクションゲームが得意です。ネットワークゲームとしていかに遅延を少なくし、動きのなめらかさを実現するかといったノウハウを社内に蓄積していることから、そうした強みを活かせるようなオーダーをいただくことが多いですね。
コロプラと8ing、ゲーム作りの哲学に迫る
コロプラと8ing社、両社がゲーム開発で大切にしていることを伺いたいです。
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まず大前提として、8ingはゲームの受託開発を担うデベロッパーであり、パブリッシャーではないという点は申し添えておきたいと思います。我々は「0→1」はやりません。お客様から題材をいただき、それをお客様と共に「1→2」「1→10」にしていくのが当社の役割です。
そうした仕事をする上で常に意識しているのは、「言われたことだけをやる会社にはなりたくない」ということ。8ingにはゲーム好きの社員が集まっていますから、担当タイトルがより一層おもしろいものになるように、各々の経験や知識を活かしてお客様に積極的に意見を伝えることを大切にしています。
当社の人間が10人関われば、少なくとも10個のアイデアが出てくる。いろいろな視点から意見が集まれば、お客様もゲームをブラッシュアップしやすくなります。お客様の選択肢を広げられるよう、こちらからできる限り提案をする「提案型受託」のスタイルで様々なプロジェクトを進めてもらっています。

コロプラとして妥協したくないことは、徹底した「ユーザー体験の品質」です。単に機能を満たすだけでなく、直感的な分かりやすさ、淀みのないレスポンス、そして触っているだけで楽しくなるような演出。 こうしたきめ細かな工夫が、ゲームの体験価値を左右します。私がプログラマーだった時代から一貫して、この「最後の触り心地」こそが、プロダクトの命運を握ると信じています。8ingのように提案型でなければ、そういった品質には到達しないと考えています。
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たしかにきめ細かな「ユーザー体験の品質」は大事ですね。いわゆる「クソゲー」と言われるものは、何度も同じことをさせられたり、課金システムがユーザーフレンドリーでなかったりと、ゲームをプレイした際の触り心地や体験が悪いことがほとんどですから。

8ingはそうしたユーザー体験をとても細やかに、常に高品質で作り上げていますよね。どうしてそんなことができるのかずっと気になっていたのですが、鮫島さんのお話を聞いて、理由がようやく分かった気がします。「提案型受託」というスタイルを通じて、ゲーム好きのスタッフがお客様とその先にいるユーザー様のことを考え尽くしながらひとつの作品を作り上げているからこそ、最高の体験価値を届けられているのですね。
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今でこそ提案型受託の姿勢が確立していますが、このスタイルが浸透するまでには、やはり相応の時間がかかりました。僕が「現場からお客様に積極的に提案してほしい」ということをずっと言い続けて、ようやく社内に定着した文化なんです。当社は、社員同士が交流できる社員旅行や忘年会、クリスマス会などの行事を大切にしているのですが、今でもそうした場で「提案型受託を目指そう」ということを折に触れて話しています。

なるほど……。社内行事で会社のあるべき姿を示し続けることも重要なのですね。社内行事と言えば、以前8ingの札幌スタジオに伺ったことがあるのですが、遠方にあるにも関わらず、東京のオフィスと全く同じカルチャーがあるのを感じました。物理的に距離のある拠点では独自文化が生まれるケースも多いところ、そうなっていないのは、やはり忘年会などを通じてリアルな場での交流があるからなのですね。
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そうですね。昨今はオンラインでのコミュニケーションが増えていますが、社員同士が直接顔を合わせて交流できる社内行事は意外と捨てたものではないんですよ。実は当社の社内行事では、普段は経験できないことを経験できる機会も設けることがあって。我々はエンターテインメントを作る会社ですから、社員には常にエンターテインメントの中にいてほしいと思っています。そのため、様々な企画を有した社員旅行や忘年会などを開催し続けている部分もあります。

この40年でゲーム市場はどう変化したのか?
鮫島さんは、この40年間でゲーム業界やゲーム体験はどのように変化したと思いますか?
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変わった点と変わらない点、両方があるのかなと。変化した点で言えば、表現力が各段に上がってきていることでしょう。昔のゲームはドット絵がぴょこぴょこと動いているだけでしたが、今は絵が非常に綺麗です。加えて、インターネット通信で遠く離れた人と同じゲームをプレイできるのも、この40年間の大きな変化ですよね。昔は兄弟や友達と隣り合って座り、同じ画面を見ながらでないと一緒に遊べませんでしたが、今では100人でも200人でも同時に遊べます。

たしかに、昔のゲームは同じ空間にいなければ一緒に遊べませんでしたよね。
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かつてはどんなに多くても4人までしか同時プレイできなかったのが、今は万単位で接続できますからね。これはやはり、この40年間の最大の変化と言えるかもしれません。
なるほど。逆に変化していない点は、どのような部分にあるのでしょうか。
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「ゲームのおもしろさ」の部分です。人がゲームをプレイしたとき、どんな部分におもしろさを感じるのか。ここは、この40年間でそう大きく変わっていないと思います。
最近のゲームはたしかに表現力が上がっていますが、絵の良し悪しで作品の売れ行きや評価が決まるわけではない気がするんです。いかに「もう1回やりたい」と思ってもらえるか。何度もプレイして達成できなかったところがようやく達成できたとき、喜びを味わえるかどうか。そういった要素が、人を惹きつけているのではないかと思うのですね。だから、我々がゲームを開発する際は、お客様の先にいるプレイヤーの皆様に、今お話した要素を時代に合った表現方法で提供できるよう意識しています。
ワクワクした気持ちやドキドキする気持ち、悔しさ、達成感が、ゲームの電源を入れるきっかけになる。この点は、約40年前のファミコンの時代から実は変わっていない部分なのだと思います。
コロプラと8ingが描く未来のゲームの可能性
未来のゲーム体験は、どのように変化していくと思いますか?
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僕は将来、現在のような端末ごとに分かれたプラットフォームはなくなると思っています。1つのゲームプラットフォームで何でもできてしまう時代が、いつか訪れるのではないかと。どのような端末でそうしたプラットフォームを実現するのかは誰にも分かりませんが、もしかするとGPS機能なども搭載しながら、家でも外でもシームレスに楽しめる遊びが出現するかもしれません。スマートフォンゲームの技術とコンシューマーゲームの技術が融合することで、新しい体験が生まれるかもしれず、将来の変化がとても楽しみだと感じます。
非常に興味深いお話です。ゲーム業界は昨今、技術の進化が頭打ちになりつつあるように感じていたのですが、プレイする端末の影響を受けないワンプラットフォームが実現した先に、全く新しい遊び方が実現できるかもしれないのですね。
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現在のプラットフォームで言えば、SteamとPlayStation5、Xboxはハードウェアが異なるだけで、表現力やパフォーマンスはそれほど変わらないと思っています。これらと違うのがSwitch2とスマートフォンなので、今お話した3種類のプラットフォームの仕組みや特徴が融合したものが、新しいプラットフォームになるのかもしれないですね。そうしたものが出てくる日まで、このまま当社とコロプラの関係を続けていけば、必ず良いアイデアや作品、ノウハウを生み出せると信じています。

これまで8ing社と仕事をしてきて、やはり我々と8ing社の持つ技術やノウハウは大きく異なるものだと感じました。コロプラはスマホでカジュアルな遊び心地を実現する技術とユーザー様に継続して楽しんでいただけるノウハウを蓄積してきましたが、8ingはコンシューマーゲームならではのしっかりと作り込まれたアクションや遊び心地、表現などのノウハウを持っています。そうした両社の強みと、これまで築き上げてきた信頼関係を存分に活かしながら、鮫島さんがおっしゃったような未来の体験をいつか共に創り出すことができたら嬉しいなと思います。

研究開発部門を立ち上げ、自社技術やアイデアを磨き続ける8ing
8ing社は現在、採用を強化していると伺いました。入社を検討されている方々に向けて、何かメッセージをいただけますでしょうか。
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この場を借りて改めて、職場としての当社の良さをお話させてください。ゲームを作りたい方々がデベロッパーである当社に入るメリットは、大きく3つあると考えています。
1つ目が、自分の携わったゲームが世に出る喜びを感じられること。お客様の作品のタイトルエンドに、自分の名前を載せていただけるわけです。それはやはり開発者としては大きなやりがいにつながると思います。
2つ目が、当社は様々なゲームメーカーとお取引があるため、多彩な作品に携わることができる点です。著名なタイトルの開発に参加できる可能性があるのはもちろん、ジャンルとしてもアニメ調の作品からフォトリアルなもの、アクション、RPGまで、どのようなゲームでも作れます。いろいろな経験を積みたい方にとっては、魅力的な環境があると思います。
3つ目が、研究開発部門を持っていることです。研究開発といっても、行っているのは1本のゲーム開発。比較的大規模な予算をかけて、世の中には出さないオリジナル作品を作っています。様々なツールや技術を取り入れながら、自分が作りたいものを開発できる。これはエンジニアや開発者にとって、大きな楽しみになっているようです。研究開発への貢献を当社の志望理由に掲げてくださる方も多く、全国から応募が集まっています。


研究開発部門を持っているデベロッパーは、業界内でも稀ですよね。しかも、この部門の立ち上げは鮫島さん主導で行われたと聞いて驚きました。
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部門設立までには、人手不足を背景に4〜5年の時間がかかりました。各部署から精鋭メンバーを招集して研究開発を進めてもらったところ、結果として取り組みがうまくいき、今では採用活動でのアピールポイントのひとつにもなっています。研究開発部門で生み出した作品は、プレゼンの場でお客様に当社の技術を実際に見ていただくツールにもなっており、「このままリリースできるクオリティだ」と評価いただくこともしばしばです。

ゲームが好きで、開発を手がけたい方にとってはまたとない環境が整っていると感じます。今回の対談記事を読んで興味を持ってくださった方は、ぜひ8ingの門を叩いてみていただきたいです。
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皆さまのご応募をお待ちしております。

▼8ing コーポレートサイト
https://www.8ing.co.jp/
▼8ing 採用ページ
https://recruit.8ing.co.jp/

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